TPECの運営と組織

■ TPECの運営の基本原則は、コストシェアに基づいた公平な研究リソースの利用です。拠点運営に必要なコストを産総研も含めた参画者全体で負担しなければなりませんが、原資を自らが負担していることから、公的資金プロジェクト等に比べて開発を進める上での自由度が高く、目標や計画の変更もプロジェクト当事者が合意すれば容易に可能となります。また、産総研も含めた他参画者とプロジェクトを協業する事によってシェアするコスト負担を軽減できます。TPEC参画希望者は、実施しようとするプロジェクトに関する共同研究契約(基本的に1年契約)を産総研との間で結んで頂いた上で参画して頂く事になりますが、共同研究契約に加えて他の参画者とのイコールパートナーシップを担保するために、別途「知財ガイドライン」、及び「運営ガイドライン」に同意頂く必要があります。

 TPECのメンバーシップには、コストシェア等に基づいたいくつかのカテゴリーがあります。 TPECの組織体制としては、参画者の中でも中核的なメンバーである「プリンシプルメンバー」の役員クラスの方々から構成される「経営会議」が運営の責任を担っています、全体的な研究予算や年間試作計画、更には参画者の新規加入、脱退等を審議の上、決定します。日常的な運営は、組織長と「プリンシプルメンバー」の実務責任者他から構成される「運営委員会」、それらの下部組織である各種部会、CP会議等が執り行います。TPECの全体計画や成果の報告、参画者間の交流を目的に、全参画メンバー参加の総会(名称は「バリュー戦略会議」)を半年に一度程度開催しています。

 次に技術開発面に関してですが、実施するプロジェクトは産総研を含む「メンバー」以上の参画者からの提案により、賛同者を募った後、技術的可能性と研究リソースを吟味した上で採択され、個々のプロジェクトがそれぞれのリーダの責任で実施されます。各プロジェクトは、プロジェクトの性格(非競争領域か競争領域か)によってオープンプロジェクトとクローズドプロジェクトに分けられます。分野的には現時点で四つの分科会デバイス技術回路・実装技術ウェハ材料技術計測技術)が設置されており、技術開発面の全体的な運営は「技術統括」を中心として行われます。技術統括はプロジェクト/分科間の連携や相互調整の役割も担います。同一の参画者が複数のプロジェクトに参画することもしばしば見られます。