第四分科会(計測)では、SiCやGaN等の次世代パワー半導体材料・デバイスに特化した実用レベルでの新規計測技術に関する研究開発とともに産総研内領域間連携を推進し、産総研つくばパワーエレクトロニクス研究開発拠点における材料デバイス評価解析プラットフォームのコア技術開発・整備を実施しています。具体的には、検査装置メーカーを中心にTPEC参画企業との共同研究開発を通して、次世代パワー半導体材料及びデバイスの研究開発と連動したウェハ~デバイス~回路・システムに至る一貫製造プロセスに対応した評価解析プラットフォーム構築に必要となる要素技術開発を進めています。
これまでに、SiCやGaN等の次世代パワー半導体材料品質評価技術開発に関して、SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置(SICA88、レーザーテック製)から取得した表面凹凸観察イメージ及びフォトルミネッセンス観察イメージ、X線トポグラフィイメージングシステム(XRTmicron、リガク製)から取得したX線トポグラフ観察イメージ、ミラー電子式検査装置(Mirelis VM1000、日立ハイテク製)から取得したミラー観察イメージを連動して1つのソフトウェア上で評価解析可能とする「SiCエピ欠陥解析ソリューション(Advanced SICA viewer)」を開発し、ウェハ・デバイスに関するTPEC研究開発プロジェクトでの運用に加え、市販SiCウェハ品質のデータベース構築に活用しています。さらに、SiCウェハやデバイス製造ラインでの工程管理や品質管理を目的とした「データソリューション」を開発し、ウェハ検査データとデバイス特性データの相関解析を実施可能としています。
施設・設備
次世代パワー半導体ウェハ品質評価解析プラットフォーム
SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置(SICA88、レーザーテック製)
ハイスループット&高分解能X線トポグラフィイメージングシステム(XRTmicron、リガク製)
ミラー電子式検査装置(Mirelis VM1000、日立ハイテク製)
研究開発テーマ例
次世代パワー半導体材料評価解析技術開発プロジェクト
SICA88により撮像された表面凹凸画像とフォトルミネッセンス画像、XRTmicronで撮像されたX線トポグラフ画像、Mirelisで撮像されたミラー電子画像の4つの画像データを1つの解析ソリューション(Advanced SICA viewer、図1)で取り扱い可能としました。これにより、各種検査画像の取り扱いが簡便となり、ウェハ欠陥認識精度の改善とともに、デバイス試作におけるインライン検査やデバイス特性相関調査(図2)の効率化を実現しています。
図1 Advanced SICA viewer解析事例
図2 デバイス歩留まりに関する解析事例